4x4について part1―クロス色・対面センター
- 2018/08/25
- 16:59
ブログに何か書くのは三年半ぶりらしいです。
先日開催されたアジア大会で4x4のNRを取り戻すことが出来たので、今回から何回かに分けて4x4のことについて書こうと思っています。ある程度はやいタイム域の人に向けて書いているつもりですが、そんなに難しい内容でもないと思うので、4x4がはやくなりたい人は適当に読んでください。
解法は当然yauです、今回の記事では「クロス色・対面センター」のことについて書いていきたいと思います。
クロス色・対面センターはあまり重要でないように見えて実は重要なパートです(
試しに筆者が測ってみたところ、avg50=2.74でした(参考:sebastianのavg12動画でセンターが平均2.5秒ぐらい(筆者調べ))。bestとworstのタイムでは3秒以上の差があり、このパートでのタイムが全体の大きなタイム差につながることがわかります。
うろ覚えですが筆者がこのパートの重要性に気づいたキッカケは、sebastianが2年前にアップロードしたこの動画だったと思います。
この動画を見た当時の筆者は、「こいつセンターはやくね・・・?」と思いました。撮影できた中でもはやいソルブを投稿しているはず?なのでそりゃはやいだろうというのもありますが、記事を書くにあたって動画をスローで見直してみると、「やるべきことをやってるからはやい」というのがわかりました。もし時間があれば記事を読んだあとにでも見てみてください。
クロス色・対面センターを揃える際に筆者が気を付けていることは以下の通りです。
①初めの一面を揃えたときに対面センターのパーツがどの面に来るのかをできる限り把握する。
②初めの一面を揃えたときに対面センターのパーツが揃えたい面になるべく多く残るようにする。
③センターパーツがバラバラの場合は二層回し1手(180°でない)でバー(1x2)を作るところから考え始める。
④バーができている場合でも、初めの一面をその色で揃えるかはほかのセンターの配置を見てから決める。
⑤クロスエッジのペアがすでに一つ以上できあがっている、もしくはセンターを完成させるときにクロスエッジができることが簡単にわかる場合、ペアをうまく保存させる。
⑥(大会で)インスペクション時間内に読み切るのが難しいときはきっぱりあきらめて、読めた部分だけ確実に実行する。
①、②はタイムを短くするために重要なことですね。
③はインスペクション時の先読みの難易度が上がってしまうため極力避けています(初手に二層回し180°を持ってくるとパーツの移動が煩雑になるので)。
④については、稀ですが、センターパーツが一見バラバラに見える配置にあっても意外と少ない手数で完成するパターンがあり、その際にバーを保存しながらバラバラのセンターを先に完成させることで、対面センターを楽に揃えられるようにするためです。ほとんどのケースではバーを利用して初めの一面を揃えることになるのですが、バーがあるケースでも、初めの一面が揃えにくいときや初めの一面が簡単に揃えられても対面センターが一つも揃わないときなどはこの方法を考えてみるとよいでしょう。
⑤も稀なケースですが、クロスエッジですでにペアになっているものがある場合、センターの配置を見てうまく保存出来る場合は保存します。
①~⑤の方針でセンターを読んでいると、難しいケースではインスペクション時間内に完全に読み切れないこともあります。特に大会の試技では緊張してセンターがうまく読めないこともあるので、早めに見切りをつけて読めたところまでを確実に実行するようにしましょう。普段からインスペクション時間を測って練習するのも一つの手だと思います。
実際のスクランブルをどんな風に解くのか見ていきましょう。一度解法例を見る前に自分ならどうセンターを解くか考えてみてください。クロス色が白でない人は適宜スクランブル開始面を変えてください。(文中には「白色センター」・「黄色センター」と記述している部分が多くあります。クロス色が白・黄色でない人すいません。)
1. L Fw' Rw' R2 Fw' Rw' R B' Fw2 U D' Fw' D Rw' B U L2 Rw' U L U Fw' U F2 B D2 R2 U' Rw2 R2 Fw' L2 Rw' D2 L' R Rw F2 D2 Rw L2
黄色のバーが揃っているケースです。x F' Uw Lwで簡単に黄色センターが揃うので、今回はバーを利用することにします。黄色センターは簡単にそろうことがわかったので、白センターの動きを見てみましょう。
xが終わった状態から説明します。
U面にあるセンターはUwでのみ動き、U面右手前側に移動します。F面とR面にあるセンターはF' Uwの動作でF面右側にくっついた状態で保持されます。L面にあるセンターはx F' Uw Lwの動きの中で最後のLwでのみ動きます。センターの位置が簡単に把握できるのは良いことですが、ここではさらに「このセンターをU面に持ってくること」を考えてみましょう。
Uwをする前にL面のセンターをLやL2を入れてキューブ上側に持ってこれば、UwでセンターがB面に移動することがわかります。このとき、UwのあとにLwという動きがあるので、F' L2 Uw Lwとすれば、L面にあったセンターはL面からB面に移動し、その後初めからU面にあったセンターとくっついてバーになります。このあとU' Rw U2 Rw'で対面センターが完成します。
2. Uw2 F L' Uw R' Fw' F2 Rw F2 D R Uw' F' Rw U2 Fw' D2 U' B2 Fw2 L' F2 L' R B Uw' Rw2 Fw F' B' Uw' L' D2 F R F' L2 F' L2 U
バーがないパターンです。「③センターがバラバラの場合は二層回し1手(180°でない)でバーを作るところから考え始める。」のパターンで考えていきましょう。
1) x' y' Uwからスタートする
残った黄色センターの形がいまいちですね。
2) x' y Lwからスタートする
R Uw D Lwで白センターが揃うのでこっちのほうがマシでしょう。L面にある黄色センターが先ほどのスクランブルと似た動きでU面に来るのもわかります。インスペクション時間内には厳しいかもしれませんが、x' y LwのあとにB'を入れれば更に良くなりますね。
3. Rw2 L' F2 R2 L2 U L' F' Rw2 R2 F' Rw U R Fw' Rw Fw R Rw2 Uw' U F U B2 L' D' R2 Fw U2 Uw2 F D' F Uw' F' Fw L' U2 R U2
黄色がそんなに良くないので、白のバーが利用しましょう。
x' F Uw2 Rw'で白のセンターが揃いますが、Rw'の前にU' B2とすればU面にセンターが3つ揃います。
4. U2 F' Rw R2 Fw' L2 D' F2 Rw D2 L U' B L Rw2 U2 B F' Rw' L Fw2 F' R2 U L' B' R' U2 F2 D' U Fw L
Uw2 R2 Fw' B2 R2 D2 B
センターがバラバラなのでまず二層回し一手でバーを作りましょう。
1) x' y Uw'からスタートする
白の残りセンターが悪い位置に来るので微妙です。
2) y Uwからスタートする
U' x' Uw2 Rw' とすれば、Uw2で移動するF面のセンターがU面にきて、黄色のバーが出来ることがわかるのでこっちの方がいいですね。
5. Fw' B' R' D Rw' D2 Rw2 Uw B' Fw' Rw' R L' D' R Rw Fw' L' Fw L D' R U Fw Rw2 L' F2 B L2 D2 R Fw' L D2 R2 D2 L' F' Uw2 R'
x z' F' Uw Rw'で黄色センターができます。L面にある白センターは先にL'をしておけばU面に持ってこれます。
ここで開始時にD面にも白センターがあることに注目して、黄色センターを完成させる動きと白センターを作っていく動きをキャンセルさせます。
(F' L' Uw Rw')+(Rw' U Rw)=F' L' Uw Rw2' U Rw
((F' Uw x' U' Rw')+(Rw' F Rw)=F' Uw x' U' Rw2' F Rwでも可)
F面に白のバーができることも簡単にわかるので、そのあとU Rw' F2 Rwとしてセンターができあがります。
もしくはL面にある白センターを動かさず、単純にF' Uw Rw'で黄色センターを揃えても、B面に白のバーが出来ることがわかるので、そっちでも十分にやりやすいかもしれません。
いずれにしても、白センターパーツの動きに注目して、対面センターが簡単にそろえられるよう工夫しましょう。
6. r2 L' U' D2 L2 U' u2 B D' L' r2 R' U' F2 u2 D2 r2 F r' R2 D2 B' U' D' u F R2 F R2 U' L D2 F D F2 L2 U u' F f'
UF位置にクロスエッジが一つ出来上がっています。L面には白のバーも出来上がっているのでこれを利用しましょう。
x y' U' D2 x' Uw2 D' Rw'でDLの位置にクロスエッジを保存したまま白センターを完成させることが出来ます。
このとき黄色センターのパーツは、二回目のx'が終わった時点でU面とR面に初めからあったものがそれぞれ面を移動せずに一つずつと、F面とB面にあったものがB面にバーとなって保持されることも(かなりがんばって読めば)わかります。
時間内に位置を完全に把握するのは難しいと思います。現実的なところとしては、(二回目のx'が終わった時点で)F面にあった黄色センターがB面に移動することとU面にあったセンターがRw'によって移動する位置に来ないことは比較的容易にわかるので、最後のRw'をする前にB面のセンターを確認し、運よくバーが揃っているのでB2してからRw'をするぐらいでしょう。あとはR面にある残りのセンターを入れて完成です。
クロスエッジが完成しているケースで重要なのは、
1)クロスエッジを早めにバーとつなげること
2)バーとつながったクロスエッジの、クロス色・対面センターが入っていない方の面にそのセンターパーツをなるべく持ってこないこと(下図)
の2つです。この2つを守っていればクロスエッジが崩れることはないでしょう。

以上で解法例を終わります。
最後になりますが、クロス色・対面センターはyau methodの一番最初のパートにあたる部分で、ここでミスをしてしまうとそのあとタイムを取り戻すのがかなり難しくなってしまいます。インスペクションでの先読みはあまり無理をせず、確実に実行するよう心がけましょう。
また次回の記事でお会いしましょう。
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